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執筆者の写真YOSHIN-KAN

キャリアアップは人間関係に極意あり

更新日:8月1日

キャリアアップには実務経験と実績が必要です。しかし、本当にそれだけでしょうか?実は、普段の行いと人とのつながりも非常に重要であり、それがリファレンスとして大きな意味を持ちます。空手道場での修練がその一例です。道場での礼儀や精神的な成長、人間関係の構築は、社会においても役立ちます。特に、最初のお互いの関係を構築することは得意でしょうが、もし意見などが合わない場合、お互いの関係の落としどころを考える習慣は重要です。


◆リファレンス

まず、「リファレンス」という言葉を聞いたことがありますか?欧米では、就職や転職の際にリファレンスをとります。簡単に言えば、第3者にあなたに関する評価をしてもらい、その評価を企業が確認するということです。それが選考基準になります。

私は、すべてリファレンスが良かったことで転職がうまくいったと言っても過言ではありません。特に、ポジションが高くなるほどリファレンスは必ずとられます。

私自身、外資系企業の業界トップの企業に勤めていましたので、昔の同僚は無論、学歴も、転職先の仕事業務と実務実績もハイスペックです。私自身、アメリカやヨーロッパの超大企業に転職した仲間によくリファレンスになってもらいました。履歴書以外にリファレンス先も用意しておくべきです。

しかし、それで安心してはいけません。オファーレター(内示書)をもらい、それから数か月後、昔の上司と会うことがあったときに、「あなたの企業からリファレンスをとらせてくださいと言われて、リファレンスになってやったぞ!」と言われました。えっ、油断もできません。

ある上司が超優良企業の常務取締役の内定をもらっていたことを知っていました。しかし、その企業がリファレンスとしてインタビューした相手がその方の悪い評価をしたため、突然、採用がキャンセルされてしまったのです。リファレンスの影響力って本当に恐ろしいと感じました。

日本企業では考えづらいですが、競合会社に転職するときや転職先が決まっているとき、それでも上司にリファレンスを頼むのは普通です。タイミングは難しいですが、これが普通です。

つまり、エゴの転職や敵を多く作る転職は失敗します。特に年齢を重ねたときの転職では、実務経験と実績があってもリファレンスが関与しない転職は年俸もポジションも急落します。普段から本物同士のつながりを大切にしたほうが良いということを伝えたいです。そして、それが世界標準です。実務経験と実績がある人は、リファレンスになってくれる方もそれなりのポジションにいますし、その部分は重要です。


◆空手道場での学び

空手道場での修練は、単に技術や体力を磨くだけでなく、精神的な成長や人間関係の構築にも大きな影響を与えます。道場での普段の行いが重要であり、その積み重ねが社会活動においても大きな意味を持ちます。特に、人と人とのつながりで形成されるリファレンスは、その人の評価や信頼に直結します。

空手の稽古は、礼儀や忍耐、自己規律を学ぶ場でもあります。例えば、道場では礼を重んじ、師範や先輩、仲間への敬意を示すことが求められます。これらの行いは、自然と日常生活にも反映されます。礼儀正しく、他者を尊重する態度は、社会に出たときに非常に大切です。

また、空手の稽古を通じて、困難に立ち向かう精神力や目標に向かって努力する姿勢を身につけることができます。これらの精神的な成長は、職場や学校などの社会活動でも高く評価されます。上司や同僚、友人からの信頼を得るためには、日々の努力や誠実な態度が不可欠です。これが、いわゆる「リファレンス」の基盤となります。

例えば、空手道場での厳しい稽古を乗り越え、試合で優秀な成績を収めた経験は、他者に対する自己紹介として非常に強力なものになります。それは単なる実績にとどまらず、その過程で培われた努力や忍耐、協調性が評価されるからです。道場での行いが社会においても認められ、リファレンスとして機能するのです。

さらに、道場での仲間との絆も重要です。共に汗を流し、支え合いながら成長していく過程で築かれる信頼関係は、職場や地域社会でも貴重なものとなります。空手を通じて得た仲間たちは、将来的にリファレンスとしてあなたを支える存在になるでしょう。

結局のところ、空手道場での日々の行いは、単なる技術習得にとどまらず、精神的な強さや人間関係の構築においても大きな役割を果たします。それが、社会活動におけるリファレンスとして機能し、あなたの評価や信頼を築く重要な要素となるのです。普段の行いを大切にし、人とのつながりを深めることが、空手道場で学ぶことの本質であり、それが社会でも生かされるのです。

そして、一番大切なことは、お互いが意見が合わないことや対立する関係になることがあります。人間ですから、仕方がないことです。しかしながら、対話とお互いが納得する会話をする場を設けることは必要です。こういうことを避ける人が多くなり、それは、将来に渡る損失につながる可能性があります。


◆ものごとの視点を変える

学生と話をしていると、資格、資格と言うばかりです。そんなことをするなら、サークル、ゼミ、研究室、いろいろなことにチャレンジして、いろいろな人と交流する場をもっと持ったほうがよいと思います。大学生の4年間は貴重な時間です。コミュニケーション能力を高めるために使うべきです。

9割以上の資格は、別に、なんの役にも立ちません。ちょっとした就職のパスポートに過ぎません。人とのコミュニケーション能力は一生モノです。処理能力の高さだけを重視している人は、いつまで経っても平社員のままです。

私自身、非常に思うことが1つあります。弁護士、公認会計士、税理士などの士業の先生は、同じ資格を持っているにもかかわらず、実務レベルの差が極端です。コミュニケーション能力が高い先生は実務経験をこなすチャンスが多く、いろいろな知恵を持っています。その反対に、学生レベルから変わっていない先生もまれに見かけます。


◆人一倍考え、人一倍努力する

問題解決力が高い人は、人一倍考え、人一倍努力する人です。わかることばかりやっていては成長できません。コミュニケーション能力が高いとチャンスが多くなり、そのチャンスを有効にするためには人一倍考え、人一倍努力する必要があります。


◆村社会の存在を認めること

何事も、できる人にはできる人の村社会があります。例えば、職種や業種などです。そこには、結果を出した者だけが交流できる場が存在します。個人的にはエゴが強い人がリーダーになっている村社会が多いので好きではないですが、有名タレントのように認識されるとチャンスが増えます。


◆番外編

私は、日本企業からアメリカ企業へ転職が決まり、「退職願」を出した後、毎日、本社に呼ばれて「転職をやめなさい」と引き止められました。意思は固かったので、それを変えるつもりはありませんでした。あるときから何も言われなくなりました。それから何年か後、上司から、私を引き抜く代わりに、アメリカ企業の日本総代理店の権利を調整してあげるということで、会社の上層部同士でトレードオフが行われていたのです。企業同士でこんなこともやるのです。

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