アダムグラント先生が書かれたギブアンドテイク「与える人こそ成功する時代」を読んで、まずは、ひと昔前の日本を思い出しました。日本の地域社会は、見返りのないギブをする社会になってきて、ギブする人もそれに気づかず、テイクされるほうも、いやになり、ギブアンドテイクが崩壊してきたと思います。例えば、地域社会で、大人が子供に挨拶、悪いことをすれば注意するなど。一昔前は、地域秩序やそのことで成長する地域社会のギブアンドテククのバランスがあったのかもしれません。しかし、ギブの在り方を考えることができなかったことが、世の中は冷たくなり、かかわりを持たないこと、だから、ギブすらすることをしないが当たり前になってきたことは、社会や個人の在り方に良い影響を与えないと思い、ぜひ、ギブの在り方を考えてほしいきっかけになってほしいと思います。 また、古い日本の精神論のギブの仕方にも問題があると思うように思ってはいます。ギブをする人は、自己犠牲までしてのギブではなく、自己犠牲ではせず、世の中のため、地域社会のため、結果的に、テイクがかえってくるようなことかと思います。 今当然のように思っている欧米志向は、感覚として間違っていると思います。欧米社会は、個人主義や実力社会・・だから、シビアに物事をとらえ、それ以外のことは受け入れられない。間違っています。欧米社会のほうが、村社会が強いですし、ギブアンドテイクで成り立っていると感じます。機会があれば、中間層から裕福層にあってみれば、この意味が分かると思います。
ギブアンドテイク「与える人こそ成功する時代」
ペンシルバニア大学の教授で組織心理学者であるグラント先生がいくつもの仕事や業種何十もの組織何千もの人々を調査してビジネス用でよく使われる言葉でもあるギブアンドテイクの本質、そこからさらに人間の本質を見事に取られました。
成功者に一番近い人は、「ギバー(与える人)」と説いています。一方では、一番生産性が低くて、成功とは程遠い存在でもあり、一方、成功者にもなることがあります。その違いを知ることで、違和感を解決してくれます。
ギブアンドテイクには、3種類の人間がいます。「ギバー」「テイカー」「マッチャー」の3種類です。ギバー(与える人)は、統計で25%、基本的に何をしてあげようと考えるような人のことです。次に「テイカー(受け取る人)」は、統計で20%、要は何をしてもらうかばかり考えているような人たちのことです。言い換えれば、人から何かを奪おうとばかりしているような嫌な奴らです。そして、最後に「マッチャー(ギブアンドテイク)」は、統計で55%、バランスを大事にします。具体的に言えば何かをしてもらったらそれと同じぐらい何かお返しをしたいと思うような人たちです。逆に何か攻撃されるようなことがあればその分しっかり仕返ししようとするというのも、ギブアンドテイクの人たちの特徴です。無論、おかれている立場や状況によっても大きく異なります。
「ギバー(Giver:与える人)」「テイカー(Taker:奪い取る人)」「マッチャー( Matcher:バランスを重視する人)」のなかで、誰が一番生産性が高くて最も成功できるのかというポイントです。
ギバーの人っていうのは頼まれると自分の得意や不得意関係なく、何でも引き受けてしまって何でも屋さんに成り下がってしまうことが多いです。重要ではないことに時間も体力も奪われてしまって気がついたら一番重要なことにまったく手を付けられていないことがあります。さすがにこれはヤバイなぁと思いながら、別のこともお願いを引き受けてしまうという悪循環に突入します。私の会社でインターン大学院生を雇ったとき、うちの会社のインターンとしての仕事、研究室の大学生に講義、大学院研究グループの幹事、そして、自分の研究テーマに対する研究テストと論文作成。さすがに、約束を守れなくなり、迷惑を被ったことがありました。
だったら、奪う側の人として、「テイカー」が一番成功するのかとがっかりされてしまうかもしれませんが、「テイカー」は、「ギバー」の次に成功できないダメな人たちだと説いています。「テイカー」は確かに人から奪えるものを奪い尽くすので、すぐお金を稼ぐ、短期的な成功はできるかもしれませんが、絶対に長続きはしないとのことです。「テイカー」は必ず落ちぶれることになります。マッチャーの人たちというのは自分が攻撃されたりそんな役割を押しつけられたりしたらそのまま黙っているような人たちで、倍返しさとは行かないまでも「テイカー」に奪われたらそれ相応の復讐をします。 最大勢力 マッチャーは長期的には必ずつまずきます。最大勢力 マッチャーこそが最も成功に近い存在です。実はそれも違うんです。確かに「テイカー」よりはマッチャーのほうが成功に近い存在ではありますが、最終的に長く、かつ、大きく成功できる人というのは「ギバー」なんです。
実は、「ギバー」が成功のカギ
「ギバー」では、成功できるって話は、完全に間違いです。それは、自己犠牲でボロボロになりながら ギブするっていうのは長期的に見たら誰も得しません。しかし、成功者的な人はそれを一度決めたら惜しみなく ギブするのかもしれないです。前提として、誰にどうやって、ギブするかは重要、かつ、成功のカギです。 「ギバー」は、「搾取されるギバー」と「成功するギバー」の2種類のタイプがいます。「ボロボロに搾取されるギバー」、「キラキラと成功するギバー」がいます。「搾取されるギバー」は自己犠牲の ギブになってしまうことです。「成功するギバー」は、ウィンウィンの関係になる関係があります。 これを聞いたときに、投資家や会社が投資をするときのイメージに近いと思いました。つまり、ビジネスや人に対する成功モデルや潜在的な可能性を感じること、人に投資するようなイメージかもしれません。また、「嫌われる勇気(アドラーの心理学)」では、お互いが目的が共有され、共通の目的に対して、動いた場合は、ウィンウィンの関係になるといっていました。つまり、ギブをする環境条件も必要かと思いました。 そして、成功者的な人はそれを一度決めたら惜しみなく、ギブをするのかもしれないです。前提として誰にどうやってギブするかが重要です。
「テイカー」は百害あって一利なし我々の人生に完全に不要な存在入らない存在だと思いながら、道場を通じて、いろいろなシーンにて、大人や子供の多くは、「テイカー」が多くなったと思うようになりました。誘導することで、「ギバー」にわかっていく人たちもいます。
最近、ある生徒から「言われたことをやればよいという意味ですか」と言われ、支配下に置かれ、命令に従う意味を説かれました。自分をアピールしながら開拓するためのギブや参加する意味とはほど遠い返答に、戸惑いました。もはや、ギブアンドテイクなんていうことすら、理解できない世の中になってきたのかと思え、社会や家庭環境でも、未来が見えない世の中に、損得感の感性も失い始めているのかとと感じております。だからこそ、原点に戻り、道場を通じて、良いギブの在り方を学び、実践する場と指導は必要だと思いました。
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